ジオターゲティング界隈について
ジオターゲティング、各社から商品が出ており、いよいよ2017年は活況を呈していくものと思われます。私が今知っている限りでの情報の整理を行い、これから知る必要のあること、展望を述べることとします。
■Googleが動いている背景推測
Googleは広告売り上げ、中でも検索連動型広告の伸びがとまっていることが大きな課題。
なぜ検索経由の売り上げが頭打ちなのか。
一つは、Eコマースなどのオンラインでの購入などをゴールとする広告が頭打ちであること。今まで売り上げを引っ張ってきたところの伸びが鈍化しているはず。(筆者主観)
もう一つは、スマホ広告の価値が低いこと。
先述のように、Eコマースなどの領域ではPCユーザーのほうが平均的に質の高い顧客である。そのため、PCの広告による1クリックは価値が高い。
逆にスマホの1クリックは価値が低く、企業は高い金を払わない。
そのためスマホの広告が安く買い叩かれ、Googleの売り上げが伸び悩んでいる状況だ。
スマホの広告を高く買ってもらうためにGoogleが考えたのが、来店CV制度である。
広告をクリックしたユーザーがその後来店したかどうかを計測できるようにしたもので、Googleはこの分野に相当の投資をしている。
Eコマースで成功したように、広告が購買にどの程度寄与したのかを見える化することで広告費が伸びるともくろんでいる。
現在リスティング広告でのみ実装可能な来店コンバージョン機能だが、ディスプレイ広告や動画広告でも今後実装されていくはずだ。
このように、検索、ネットワーク、動画、という掲載面、プラットフォームに加え、効果計測でも他の追随を許さないGoogleが巨大な勢力になるのは間違いない。
この効果計測プラットフォームを他社に売るのかどうか、個人的にはそこに注目したい。
■プレイヤー
背景は上で説明したとおり。
データの取り方は、検索時、クローム、GoogleMap、ポケモンゴー、などの際にデータを取得が可能。また、アンドロイドなどの設定で、行動履歴をONにすると、常に位置情報をGoogleに送ることになる。ポケモンゴーの普及でこのスイッチがONになっている端末が増え、Googleいわく約50%程度の端末は常時位置情報が取れている状態らしい。
②Ciarra
シナラは米国の会社で2012年創業。日本のマーケットに対してはソフトバンクの出資を得て入ってきた。
携帯電話キャリア(MNO)と提携し、MNOの持っているデータをDepersonalizeして広告配信に使っている。
エンジニアを抱えるテクノロジー開発部門アドテクスタジオが開発するAirTrack。
複数アプリをリクルートしており、アプリを通じて位置情報を収集。
位置情報の精度を売りにしている。
④ブログウォッチャー
こちらもアプリ経由で位置情報を取得しているが、リクエスト時のみではなく、バックグラウンドで位置情報を取得し続けているとのこと。
そのため、切れ目の少ないデータとなっているようだ。
また、訪日外国人のデータ取得に長じている。
■使い方
・広告配信のターゲティング
・位置情報を使った来店数計測
・マーケティイング調査
(ビーコンなどと連動し、顧客の位置情報を調査など)
が現状出ているもの。それ以外も出てくるかな。
■今後の流れ
・データの取り方
・位置情報の精度の確認
の二点が争点かと思っている。
データの取り方はGoogleやCinarraに軍配が上がりそうだとは思う。
そこでしか取れないデータだからだ。
精度の確認に関してもGoogleは一歩リードしている。
後日アンケートなどを通じて、本当に行ったかどうかを検証するスキームをすでに整えている。
ブログウォッチャーはこの部分で勝負していくことになるのではないかと思っている。
サイバーエージェントは、一瞬でも付近を通ると来店とみなすなど、雑さが指摘されている。
また適宜アップデートする。